ドロビアツコ&ヴァナガス について

地上波放送でパイレーツ・オブ・カリビアンが流され、日本でも大好評だったようですね、「ドロバナ」でのアクセスが非常に多かった。
てことで、私のスケート観戦の「師匠」の大のお気に入り、ドロバナについて語りたいと思います。
彼らはもともとはプロ、今回の五輪のために復活してきたリトアニアカップル。そのために10月の五輪選考会をかねた競技会(シーズン初めの難しい時期なんですよ)に調子をあわせ見事優勝、グランプリシリーズは出場資格がないのででれませんでしたが、ユーロでもそのパフォーマンスを継続、向上させるという神業をやってのける。
とても見栄えがよく、美男美女のカップル。男性のリフトの安定感と女性の何でも表現してなりきってしまう「女優」さがウリ。実力のあるカップルでしたが、時代が悪かった。
ソルトレイク五輪前後、ダンスは「花の最終組」といわるくらいフランス、ロシア、イタリア、カナダ、リトアニアイスラエルの6組が最盛期を迎えていました。しかし、五輪のフリーダンスで3位イタリア、4位カナダが転倒したにも関わらずクリーンな演技をした彼女達が5位。ペアでのふたつの金メダル云々が世間をにぎわせていただけに、彼女達も抗議をしました。しかしそれは棄却。国の力の差だと当時は嘆いてました。(私が)
そしてイタリア、優勝国フランスがいなくなった直後の長野での世界選手権ではメダル候補の筆頭でしたがけ、まさかの4位!イスラエルに抜かれてしまうという一大事。「リトアニアが五輪で抗議をしたから順位を落されたんじゃない?」とライバルである選手達からも抗議の署名活動が行われるくらい。(これも採点法が変わった大きな理由のひとつでしょうね)失意のうちにドロバナは引退──ですが、かわいそうなことがもうひとつ、この抗議活動が尾を引いて、イスラエルカップルもこれ以降選手権大会でメダルをとることはありません。
閑話休題
マルガリータとポヴィラス、「私の妻は世界一美しい!」と男性が豪語する絵に描いたようなおしどり夫婦カップル。今大会、バナは最年長35歳の参加選手でした。それなのにあのグッドシェイプ、リフトでも息切れしない…スタミナも相当なものです。
ユーロではオリジナルダンスでこそ順位を落としますが、あきらかに採点法についていけなかった他の復活組と違い、ほとんどのエレメンツでレベル4を叩き出すという離れ業をなしとげました。そのユーロにおいては、あのトリノ五輪優勝のナフカ・コストマロフ組を規定で上回った2組のうちの1組であり、フリーダンスの技術要素で上回った唯一のカップルなのです。
とまあ、早い話が、20年間、メダルを追い求めていたのです。
しかし、結局今季とれたメダルはすでに持っているユーロでの銅のみ。五輪はオリジナルでの転倒が響き7位、世界選手権ではフリーでは2位と健闘しますが、総合4位と非常に残念な結果となってしまいました。
それでもユーロ、世界選手権通してみせた「パイレーツ・オブ・カリビアン」はプロで経験したショーマンシップと高い技術力が混ざり合った今季屈指の名エキシビションでしょう。
てなわけで、(プロアマ問わず)スケートを続行してくれるよう、そしてまた来日してくれるよう、わずかな望みにかけようぜ!
ちなみにアマ引退後2005年まで、プロスケーターとしてだけではなく、ショーのプロデューサーとしても活躍していました。


オススメPGは99年から01年あたりまで使っていたフリーダンス「Spente Le Stelle」
今季のフリーダンス「オペラ座の怪人」も素晴らしいので、演技をみる機会があればぜひ。




そしてこちらもはてな巡回で気づいたんですが、アルベナとマキシムが初めての母国の国旗掲揚にも関わらず含み笑い&談笑をしていたのは・・・・・・・・・・・・・・ブルガリアの国旗が逆さまだったそうです。白が上ね!横向きだったから気づかなかったわ(おい)国が国なら戦争になりかねません。運営、しっかりしてください!