トリノ五輪女子シングル:LP


1 ARAKAWA Shizuka JPN 125.32 62.32 63.00 8.04 7.61 7.93 7.86 7.93 0.00 #21
2 COHEN Sasha USA 116.63 55.22 62.41 7.75 7.57 7.86 7.79 8.04 1.00 #20
3 SLUTSKAYA Irina RUS 114.74 53.87 61.87 7.96 7.39 7.79 7.71 7.82 1.00 #24
4 SUGURI Fumie JPN 113.48 54.23 59.25 7.54 7.14 7.39 7.43 7.54 0.00 #22
5 ROCHETTE Joannie CAN 111.42 55.29 56.13 7.07 6.75 7.04 7.11 7.11 0.00 #17
6 MEISSNER Kimmie USA 106.31 52.77 53.54 6.86 6.46 6.79 6.64 6.71 0.00 #23
7 HUGHES Emily USA 103.79 53.82 50.97 6.46 6.11 6.50 6.32 6.46 1.00 #15
8 MEIER Sarah SUI 100.56 49.31 51.25 6.46 6.21 6.46 6.43 6.46 0.00 #16
9 KOSTNER Carolina ITA 99.73 43.84 55.89 7.18 6.71 6.96 7.04 7.04 0.00 #18
10 SOKOLOVA Elena RUS 95.66 45.38 50.28 6.57 5.96 6.29 6.29 6.32 0.00 #9
11 LIU Yan CHN 95.46 50.40 45.06 5.89 5.39 5.61 5.64 5.64 0.00 #10
12 LEUNG Mira CAN 94.55 51.83 42.72 5.50 5.11 5.36 5.36 5.36 0.00 #8
13 GEDEVANISHVILI Elene GEO 93.56 43.60 49.96 6.43 5.96 6.29 6.36 6.18 0.00 #19
14 KORPI Kiira FIN 92.36 48.84 43.52 5.71 5.14 5.39 5.50 5.46 0.00 #6
15 POYKIO Susanna FIN 89.48 40.54 49.94 6.54 6.00 6.25 6.14 6.29 1.00 #13
16 ANDO Miki JPN 84.20 35.69 50.51 6.64 6.11 6.21 6.29 6.32 2.00 #14

最後の女子シングルは、とても爽やかな波乱で締めくくられました。
しいちゃんおめでとう。まさかこんなに早くに五輪のフィギュアスケート君が代がきけるとは思ってませんでした。スイマセン。
そして、誰が予想していただろうか、スルツカヤがこけるなんて。しかも大の得意の3ターンからの3ループジャンプで。
でも、自爆とはいえ、どちらかというとスルにとってほしかったな…。
ちょっと残念な面もあって複雑な朝をむかえました。


今回のみ滑走順で総括していきます。
ソコロワ、リアシェンコ、双方とも力はあるのに第二グループからの登場。
リアシェンコはとってもナイスなPGだと思います。その衣装は夜中のウエストサイドの街の風景(街頭や薄汚れたビルの明かり)を表しているのでしょうか。なのにこの低評価。PCSも全然でません。拝啓リアシェンコさま、くやしいな。
ソコロワはやっぱりこの日も調子が悪かった様子、ユーロで気をよくして緩めてしまったのか、怪我かなにかで練習ができなかったのか、新コスチュームは彼女のふくよかな体型を強調してしまうハメに。冒頭の3-2-2の高難度コンボには成功しますが、続く3フリップ、3サルコウ、3ルッツなどジャンプもことごとくタイミングをはずす始末。スピード感がなく、音楽についけけないかな〜と思っていましたが、さすがはベテラン、最後はジャンプ&スピンも決まりだし帳尻を合わせてきました。でも最後のステップは低評価。
安藤、あっけらかんとした態度をとり続けていたけれど、やっぱり重圧は相当なものだったみたい。それを想像することしかできない自分が情けないです。4サルコウ、成功したときから回転不足だといわれてきました。でも、回転さえたりればコケたって両足着氷だって4は4です。そこに賭けていたんですが…やっぱりそうそううまくいくもんじゃありませんね。SPのスパイラルでのあわやフェンス直撃のせいか、滑りにいつものスケールの大きさが感じられませんでした。サーキュラーもちっちゃいちっちゃい。急なPG変更による練習不足とスタミナ不足と4サルコウでの足にかかる負荷でもうイッパイイッパイだったんでしょうね。でも来季もこれを踊るとか…ええ!?ゆきなと直接対決っすか!!?(汗)…彼女は男気を得た。

以下結構グダグダな展開。安定感のあるロシェットでさえ小さなミスを出す始末。やっぱりこのリンクはおかしんじゃないのかしら…と思案して迎える最終グループ!

まずはゲデバ、やはりユーロ同様中盤以降ぐぐっと調子が悪くなりましたが、よくぞあの緊張感の中滑りきりました。3月の世界ジュニアにもでますよね?真央の強力なライバルになるに違いありません!そして黒タイツに黒シューズ、とってもイカシてました。これからがとても楽しみ。
そして大歓声の中コーエン。SPの時よりは浮き足立っているような、位置につくまでたっぷり時間をかけてのスタート。しょっぱなのコンボ、その次のコンボをことごとくミス。ソルトレイクの悪夢がよみがえります…が、3ループで取り直すと、次はお得意のスピン。音楽によくあってました。今季から陸上トレーニングを重ね、体力&持久力強化に努めたそう。その甲斐あって彼女の強みは後半ボーナスがつくところでのジャンプの多さ!数は荒川よりも多く、難易度はスルより上。特に3トゥ3サルコウのシークエンスはよく考えたなと思いました。コケがあったにもかかわらずこの評価っていうのは、PCSが不服ですけど…くやしいけど、彼女はジュリエットを可憐に演じきっていました。これは振り付けの勝ちかな。しかしPBには遠く及ばず。
SP1位のポカに会場内騒然としながら、でてきたのが荒川静香。この人はどんな衣装でも着こなしますね。凛としたトゥーランドット。色々いいたいことはありますが…まず感じたのが無難に滑りきることの難しさ。昔の使用曲とはいえ大幅に味付けされていて、にも関わらず初めてみせるPGとは思えぬ滑りのなめらかさ。「誰も寝てはならぬ」──たしか夜明けを前にしてトゥーランドット姫が旅人の名前を知るべく民衆に「寝てはならぬ」とけしかける姿をみて勝利を確信する旅人の歌。彼女がこの演技で勝利を確信したかはしりませんが、夜明けをちょっとすぎて、徹夜組には厳しい時間、しかし彼女の演技に目が覚めたことでしょう。ただやってる要素はSPやLPの幻想即興曲とほぼ同じ…イナバウアーを長めにとり、そこからの3-2-2の連続ジャンプをいれたくらい。確かに2ヶ月弱でここまで仕上げたのは拍手喝采ですが、細かいミスもありました。にもかかわらずPBがポンとでてしまうと、味をしめちゃうんですよね。(それがスルの今季の”前季とほぼ変わらない”PGにつながる)それでも最後のアイスダンサーも舌を巻くディープエッジでスローの音楽を表現するステップは彼女にしかできませんね!そこから最後のスピン、マンマミーヤ!!ブラボーでした!!
荒川のスタオベ&PBで大盛り上がりの中、静かに呼吸をととのえるのは村主。こういう精神統一は慣れっこですね。率直にいいますと、旧採点だったら2位でした。しかしこれは新採点「自分のできることを100%やっても、超えられない壁がある」残念ながら村主は昨年のクワンと同じ道をたどることに。荒川がイナバウアーを交えて芸術性について熱く語ったりしていますが、村主は存在そのものがアート。3ルッツ3ループなんて飛べやしません。だからこそ、彼女は彼女にしかできない演技をした。でも少し欲がでた(というか点数を稼ぎに走った)スピンんでのドーナツやキャッチフットポジションなどは、おせじにも素晴らしいとはいえない”付け焼刃”でした。ボーナスがつくジャンプはほとんど彼女が得意とするトゥジャンプ系。しかしその得意のトゥジャンプであるフリップからのコンボが2-2に、続く3トゥ(一番点数が低いジャンプを単独でいれるのはどうだろうか)も回転が不足気味…とボーナスがあまり意味をなしてなかったです。細かいミスがあったとはいえコケた二人よりもPCSが低いのはGPSでの出遅れが影響しているのでしょうか…まさしくデンスタ状態?60はのると思っていただけに残念でした。
キミーはおいておいて(ひどい)いいと思ったけれど、ゲデバと共にまだまだジュニアレベルを脱していません。バンクーバーまでにどれだけ化けるか。しかし、そのためのいい経験になったことはエミリーと一緒。当分ロシアが出なさそうなので、次世代は女子はほぼアメリカVS日本になるのかな。
そして最終滑走はイリーナ・スルツカヤ。あまりソルトレイクでのことを思い出させないでください(涙)今回のジャッジは本当に本当に辛かった。SPでの彼女が8割ほどの力で滑っているようにみえたのが悪影響したのか、はたまた本当にそれくらいの力しかでれない身体になってしまったのか…。メダルセレモニーでの微妙な表情からは読み取れませんでした。ジャンプのランディング、スパイラルでのエッジさばき、ストロークの長さ。荒川にはかないません。それでも1コケだけだしコーエンは抜けるかな?と思いきやそうでもなかった。のっけのコンボ予定だったルッツを単独にしたことによって、「あ、後半勝負にでるのかな」とまだ希望をもっていました。3-2-2も決まりましたしね。しかし…結局ルッツはこれだけ。加えて昨年末から怪しかったフリップ。せっかくのボーナス付きコンボが2-2に。それで焦ったのか続く3ループを転倒。なんとか3トゥ2トゥコンボを決めますが…なんとTESが驚きの53点台…。初の4種目同国制覇はならず、あの重厚なロシア国歌をきくことはできませんでした。


新ジャッジシステムをいかに理解し、使いこなせるか。
終わってみればそれが困難といわれていた荒川が金メダル。
しかし、このやたらと見ている側は退屈で、しかしやる側は難解で体力を消費するくせに、いっそうジャッジの目が厳しくなった採点法は修正されるべきです。
トッド・エルドリッジがみたらなく。