新採点システム

まだ女子がのこってますけれど、今回は初めて新採点システムにおいて評価される冬季五輪大会となりました。
結果「始まる前からほぼ順位がきまっている」なんて揶揄されるダンスでさえ、一瞬たりとも目を離せない展開となりました。
村主さんの言葉をかりると、採点競技、フィギュアスケートは「モネ」と「ピカソ」に順位をつけるという大変な競技。
好き嫌いに個人差がでるのは必然なのに、それだけ審査員も気を配って公平にしようとする。にもかかわらず少しでも採点がおかしいと前回の五輪のように四面楚歌になる。
てなわけで、(ダンスを除く)コンパルソリーがなくなってから、今回まで本当に色々とありました。
皮肉なことに、旧採点のほうが演技を楽しめるけれど、新採点のほうは採点を楽しめるのよね。
ジャッジ側からすると、ほとんどの人間がレベルをあげるために、自然と同じことをするようになるので、見比べることが出来る。今のほうが楽なんだろうな。おまけに「同点」をつけることが可能だから、今回のダンスのように順位がジェットコースターのようになるなんてことも。
個人としては「順位点」っていうのは好きではなかった。
03-04シーズンのフリーはどう考えてもナフコスよりデンスタのが上だと思っていましたし(笑)
たとえば一番イライラしたのがジャンプ。「この四回転は三回転半でおりてるじゃん」って。でもキチッと3回転おりてくる人よりも技術点が上だったりする。旧採点では印象点できまるので説明がつかない。
それにひきかえ、新採点では「このポジションにしてからの回転の数がこれだけ少ないからレベルが低いのよ」と理由づけることができる。納得もできる。
でも、どうでしょう、もうトーヴィル・ディーンのような表現や、カーチャ&セルゲイのスケーティング、クワンのひとつだけのエッジを延々と使うスピン、ヤグディンのタップダンスのようなステップなど「残る」ものはでてこないだろうな。
「猫も杓子もビールマンスピン」なんて言葉もできそうですし(笑)それによって選手もただの機械のようになっていってしまうでしょうし。
事実、ジュベールのロード・オブ・ダンスはもうちょっとどうにかなったと思います。もうこれがかわいそうで仕方ない。